1. 現在分詞=「-する,-している」という能動の意味を表す
2. 過去分詞=「-された,-される,-されている」という受け身の意味を表す
〃 =「-してしまった」という完了の意味を表す(自動詞の場合で例外的)
3. したがって
現在分詞=能動 (+進行のニュアンス)
過去分詞=受動 (+完了のニュアンス)
と考えると分りやすい。
falling leaves「落ち葉」(進行)
fallen leaves 「落ち葉」(完了) *fallは自動詞のみ
1. 名詞を修飾する
2. 名詞を修飾する分詞の位置分詞1語の場合と分詞の前に他の語句を伴う場合には, 普通, 名詞の前に置かれる
分詞の後に他の語句を伴う場合には, 必ず名詞の後に置かれる
(unexpectedly) surprising results
results (unexpectedly) surprising to us
×(unexpectedly) surprising to us results は当然不可
※ただし (unexpectedly) surprising results to us という語順は可
3. 人の感情に働きかける他動詞 の現在分詞と過去分詞の区別
(surprise, excite, interest, satisfy, please, disappoint, bore, etc.)
人 (生物) に過去分詞を用いるのは,人が自分の感情に働きかけられる場合
a bored person=(自分が) 退屈している[退屈させられている「退屈な人」
人(生物)に現在分詞を用いるのは,人が他人の感情に働きかける場合
a boring person=(自分が) 他人を退屈させる「退屈な人」
無生物には常に現在分詞を用いる (働きかけられる感情がないから)
an interesting book, an exciting game, an amusing program
※人には過去分詞を用い,事物には現在分詞を用いる,といった安易な理解は避けたい。頻度的にそうであるに過ぎない。
4. 文中で補語になる
・知覚動詞+目的語+現在分詞 or 過去分詞 [S+V+O+C]
I saw a strange man lying on the grass.「見知らぬ男が芝生に横になっているのが見えた」
I saw a new couple surrounded by many people.「新婚の夫婦が大勢の人に囲まれているのが見えた」
・have[get]+目的語+過去分詞 [S+V+O+C]
目的語を-させる(他者に)
〃 -してもらう (他者に)
〃 -される (他者に)=被害を表す[過去分詞に強勢]
〃 -してしまう (自分で)=意外に頻度が高い
※「目的語を-させる/-してもらう」という日本語訳は have+目的語+V(使役動詞)と紛らわしいが,目的語+過去分詞 は「目的語が-される」という受け身の関係にある点で,「目的語が-する」という能動の関係にある 目的語+原形と異なる
・We had our photographs taken (by them).
=OとCの関係は our photographs were taken という受け身の関係
・We had them take our photographs.
=OとCの関係は they took our photographs という能動の関係
単純形と完了形の区別は不定詞や動名詞の場合と同じ
文の述語動詞の時と同時か先(未来)のことには単純形を用い,文の述語動詞の時より以前のことには完了形を用いる
※現在分詞と動名詞と同じ形なので,両者の区別がつくことは文法・構文上の重要なポイントである
1. 分詞が「接続詞と動詞」の働きを兼ねて, 準動詞を含む動詞を修飾する副詞の働きをしている。 したがって because[as/since],when,while,
after,if,though な どで始まる副詞節に書き換えられる。
・Living next door to her, I often see her.
=Because I live next door to her, I often see her.
・Living next door to her, I seldom see her.
=Though I live next door to her, I seldom see her. (though の意味になるのは admitting
等一部の動詞の場合だけという断定は避けたい)
・Not knowing what to say, I remained silent.
=As I didn't know what to say, I remained silent.
2. 文の後半に位置する分詞構文 (..., -ing [-ed])
・He worked hard, obtaining a lot of money.
=He worked hard, and obtained a lot of money.
(A)...して, そして-する [-される] (=接続詞 and の働き)
(B)-しながら [-されながら], ...する (=接続詞 as の働き)
(C)その他 (=接続詞 because,though などの働き,例外的で数は非常に少ない)
3. 完了形の分詞構文=主節の述語動詞の時よりも以前のことを表す
Having read a comic book, I studied history.
=After I had read a comic book, I studied history.
4. 独立分詞構文=分詞構文の意味上の主語が主節の主語と異なるときは, 分詞の前に意味上の主語が[主格]で置かれる
It being fine, we went swimming in the pool.
=Because it was fine, we went swimming in the pool.
5. 過去分詞で始まる分詞構文=being, having been が省略されたもので, 接続詞で書 き換えると受動態の文になる
Compared with animals, human beings are intelligent.
=When they are compared with animals, human beings are intelligent.
動物と比較すると, 人間は知能が高い。
6. being の省略
分詞構文では,being は省略されることが多いが, 付帯状況の with があるときは必 ず消去される。
※ Beingで始まる (文頭のBeingが省略されていない) 分詞構文は原則として「理由」を表す。
ただし「理由」を表す場合でも Being は省略されることが多い。
Being very tired, I went to bed earlier than usual.
(=Very tired, I went to bed earlier than usual.)
7. 付帯状況の with=独立分詞構文の意味上の主語の前に with を置く代りに,being を消去したもので, 慣用的な表現も多い
He was lying on the grass with his eyes being closed. 「彼は目を閉じて芝生に横になっていた」
I was reading a magazine with the radio being on. 「私はラジオをつけて [つけたまま] 雑誌を読んでいた」
He was sitting on the sofa with his arms being folded. 「彼は腕を組んでソファに座っていた」
With my father being a pianist, I also want to be a musician.
=My father (being) a pianist, I also want to be a musician.
※このように,名詞や形容詞で始まる分詞構文もある
=Because my father is a pianist, I also want to be a musician.
he came running toward us with her hair flying in the wind.
She came running toward us with her eyes shining with joy.
He was sitting in the sofa with his arms folded.
He was sitting in the sofa with his legs crossed.
※なぜ上の2例は -ing で下の2例は -ed なのか,「髪の毛は自分でなびき, 目は自分で輝く」一方,「腕や脚は自分で組むのではなく, 人によって組まれる」からなのか。 そうなると, まさにケース・バイ・ケース,英語と日本語の発想の違いということになり,一筋縄ではいかなくなる。 しかし, そこに「進行」のニュアンスがあるか, それとも「完了」のニュアンスがあるか, と考えればその区別はつく。 つまり髪の毛はなびている最中で, 目は輝いている最中であり, 一方, 腕や脚はすでに組まれてしまっているからである。 ところが, かなり前から He was sitting in the sofa folding his arms. という英語が使われている。 よく最近の日本語は乱れていると言われるが, この点では英語のほうがはるかに先を行っていると言えるだろう(なにもこの例に限らない)。しかし fold が他動詞として用いられている点では一貫している。
※したがって, 次の例では -ing しか使われない。「垂れ下がる」の意味の hang は自動詞だからである。
The dog was lying on the ground with his toungue hanging out. (犬が舌を突き出してハアーハアーいっている状態