コロナ禍の厳しい状況が続いていますが,予想される自由英作文のテーマと書き方について,入試直前期のアドバイスをします。(実際に2021年に早慶で出題されたテーマは 塾長のメッセージ をご覧下さい)
一年前にも,予想される出題テーマを取り上げました。もちろん,特定の大学・学部の自由英作文で「ズバリ的中」する可能性もなきしもあらずですが,完全に山を張ってテーマを一つか二つに絞る対策が賢明でないことは言うまでもありません。とはいえ,この時期,自由英作文に多大な時間を費やす余裕がある人はけっして多くはないでしょう。したがって,最も効率の良い,なおかつ正攻法の対策について説明します。
まず出題が予想される頻出テーマを例示します。( )内は既出の大学・学部です。一年前のアドバイスと重なるものも少なくありません。しかし新たに浮上してきたテーマもあります。 「パンデミック」コロナ禍の「テレワーク」と「オンライン授業」です。「2023 予想される自由英作文の頻出テーマ」に解答例を掲載しています。
[賛否を論じるタイプ]
・英語の早期教育(鹿児島),英語の公用語化(一橋,早稲田政経)
・自動翻訳と英語教育(新潟),経済格差と教育格差
・少子高齢化社会と移民労働者(一橋,慶応経済),外国人参政権(早稲田法)
・女性管理職の比率(早稲田政経,慶応経済),最低賃金の設定(慶応経済),ベーシックインカム(早稲田国際教養)
・同性婚(一橋,慶応経済,早稲田政経),成人年齢の引き下げ(秋田)
・運転免許年齢の引き下げ(金沢),飲酒年齢の引き下げ(慶応経済)
・死刑廃止論(一橋,慶応経済),安楽死(一橋),臓器移植(一橋,国際教養)
・喫煙の禁止(一橋,早稲田政経)
・オリンピックの是非(早稲田政経,長崎,青山国際政経,電気通信)
・既存のメディア(新聞・雑誌・テレビ)とインターネット,紙媒体と電子メディア(早稲田法)
・読書の必要性,スマホの功罪(秋田,佐賀,長崎,熊本,早稲田政経)
・SNSの年齢制限(早稲田国際教養),SNSの功罪(北海道)
・キャッシュレス社会(大阪),YouTuberという職業(新潟)
・AI(福井),ロボットの発達,奪われる雇用(琉球),自動運転車(金沢,北海道,慶應経済),グローバリゼーション(九州)
・外国人観光客(広島,慶応経済),観光公害,カジノ(熊本,京都繊維工芸,慶応経済),空き家対策(岡山,広島)
・レジ袋の有料化と環境問題(早稲田政経,筑波,産業医科)
・コロナウイルスと生活の変化(静岡),オンライン教育の長所と短所(九州),テレワークの長所と短所(慶應医)
※「ベーシックインカム」は,読解問題の英文を課題文として与えられる慶応経済で考えられるテーマです。昨年は出題されませんでしたが,設問文が長いタイプの他大学でも出題の可能性はあるでしょう。2021年に早稲田国際教養で出題されましたが,設問文が短かったので,解答に苦労した受験生が多かったと思われます。
※早稲田政経の受験者は,一橋,慶応経済,さらには早稲田他学部の過去問にも必ず目を通すこと。
※5年間「賛否型」を出題しなかった一橋が今年どうなるかは,たいへん興味深いところです。
実際に英文を書く作業が必要不可欠とはいえ,上記のテーマの全てに取り組むのはおそらく不可能です。もちろんこれ以外のテーマが出題される可能性も少なくありません。したがって受験する大学・学部の過去問に目を通した上で,自分なりの予想に基づいて,テーマを選んで書いてみるとよいでしょう。その際,無から有を生もうとするのではなく(もちろんそれが出来る人は別ですが),それぞれのテーマに関する既存の解答例を参考にする,というより真似をする,つまり暗記例文として利用するのです。出来るだけ多くのテーマについて解答例を音読・筆写することで,使える「主張」や英語表現が身につくと同時に,一定の型に則った書き方を身につければ,テーマが違っても英文全体の構成はそのまま使えるからです。
そうすることで,書くべき内容が浮かばないタイプの人も,内容は浮かぶけれども英語で表現できないタイプの人も,まったく書けないということはなくなるでしょう。ただし一定レベルの読解力が前提になることは言うまでもありません。阿佐谷英語塾は,自由英作文 問題 解答例 暗記例文のページを設けてきましたが,新しく自由英作文の書き方もアップロードしました。同じテーマであっても,語数や主張の内容は異なるので,自分が使えそうなものを選べばよいでしょう。もし仮に実際に書く余裕がない場合には,解答例を読むだけでも,多様なテーマに関する背景知識と必要な英語表現を身につけるのに少しは役に立つと思います。
※賛成,反対どちらの立場が書きやすいかの判断を誤らないこと。
※挙げる論拠=理由や具体例をメモ書きし,全体の構成を考えてから書き始めること。
※語数や段落の指定に注意すること。ケアレス・ミスを最小限に止めること。